『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

色々なこだわり

自閉的傾向があるお子さん。その子は見え方にこだわりがありました。

 

その子は階段の踊り場の前にあるちょっと奥まった部屋のドアを斜めから見ることが大好きでした。そのドアを色んな角度から、行ったり来たりしながら横目で見るのです。何度も何度も。そしてしばらく観察してから電気をつけてもらうのがまた大好きでした。私も同じように見てみましたが、何が良いのか分かりませんでした(笑)。分からなくて残念。一度見だすと15分、20分、ずっとそんな状態で見ています。これには困ってしまいます。でも、その子の中でちゃんとクラスの先生の序列ができていて、一番信頼している先生の言うことだったら聞くのです。でも新人の先生の言うことは聞きません(苦笑)。だからその先生が来て、その子に「おしまいね」と伝えて一件落着。よく分かっていますねぇ。

 

ある時から、その一番信頼している先生の名前を言うだけで直ぐにやめることができるようになりました。「〇〇先生が終わりって」とか、「〇〇先生に(見てもいいか)聞いて」とか。その子の中で〇〇先生がそこにいなくても、〇〇先生から直接言われなくても、〇〇先生という言葉だけでたくさんのことをイメージができるようになって、自分の中で折り合いをつけることができるようになったのです。すごいすごい!これこそ言葉の力。

 

その子は家庭で他にもちょっとしたこだわりがあり、お母さんが困っていることがありました。その子はゴミ捨て場のドアを開けるのが好きで、それを何度も何度もしたがるとのこと。ゴミ捨て場のドアを開けた時の見え方にこだわりがあったのだと思います。私も相談を受け、一緒にどうすればいいのかを考えました。ことばは発するそばから消えてしまう。視覚的な補助が必要。何回までならやっていいか。今日はやってもいいのか、いけないのか。

ということで相談した結果お母さんは写真カードを作りました。カードは他のことでも使えるようにマジックテープで取り外し可能。回数はその写真カードの下にこれまた取り外し可能な赤い丸。赤い丸が全部なくなったらおしまい。

かなりスムーズになったと報告を受けました。良かった、良かった。

 

下の写真はうちのボクサー犬。寒さが苦手で寒くなると暖房の前でこんな風にいつも寝ています。鼻ぺちゃなのでいびきがすごい!

 

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