『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

どこどこ? 

 昨日に引き続き、今日も!

 ことばの相談に来ている男の子。ママが作った私の写真カードを来る前に見せてきたとのこと。さすがママ!その写真を見せると私に差し出してきました。ちゃんと分かってる!

 彼は大好きなアンパンマンの人形を持ってきました。そのアンパンマンの人形を目の前で私が座布団の下に隠して、「あれ?アンパンマンは?どこ?」とすると、ニコニコしながらその座布団をめくりました。「あった!」その遊びが気に入ったのか、自分でも座布団の下に隠そうとしています。本格的な<どこどこ遊び>をすることにしました。ママと一緒に私の様子を見ていてもらって、私が見えないところでアンパンマンを落とす。そして、親子の方へ戻って「あれ?ない。アンパンマンないよ。アンパンマン、どこどこ?探して!」 最初は大事なアンパンマンをどうするの〜!とパニックになっていたけれど、ルールが分かると大喜び。ママと一緒にアンパンマンを見つけて、「あった!アンパンマン、あった!良かった〜!」何度も何度も繰り返し、自分でも真似して隠そうとしたり、大笑い。

 

 アンパンマンだけでなく赤い風船でも挑戦。庭に出て、私が庭のどこかに隠した赤い風船をママと一緒に探してもらう。「赤い風船、どこ?どこ?探して〜。どこ?」「あった!あった!見〜つけた!良かった!」大人からするとかなり単純な遊び。だけれど、この中にはたくさんの大事なことが含まれています。

 

 <そこにない、けれど ある> これは記憶の力とも関わってきます。隠されたアンパンマンの人形や赤い風船のことを覚えていなくてはできない遊びです。他のことに気がそれてしまったらできない遊びです。そして実は言葉の力にも通じています。言葉には<そこにない ことを 言葉にして伝えることができる> そういう力があります。

 子どもが喜ぶ遊びの中に、たくさんの大事なことが隠されているのですね。子どもが喜んでくれた遊びはぜひ、繰り返し、繰り返し、飽きるまで付き合ってあげましょう。

 そして、繰り返し繰り返しの遊びの中で、繰り返し繰り返しことばかけができます。「探す」ということはどんなことか、「どこ?」ってどういう時に使うことばなのか、実体験の中で身につきますね。

ハート&コミュニケーション

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