『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

その子の心が伝わるように・・・

なかなか音声言語でおしゃべりができない発達がゆっくりのお子さんがいます。お母さんはとっても心配しています。聞こえの問題もないし、器質的な問題もないし、簡単なことばの理解はできているし、コミュニケーション意欲もそこそこある。でも音声言語での表出ができません。

発達に問題がないと言われる赤ちゃんたちが1歳を過ぎ、親は発音の仕方を何も教えていないし口の中の舌の動きを見せてもいないのに、ちゃんとおしゃべりができるようになることは逆にとても不思議なことのように思われてきます。

でも、こういうお子さんたちに舌や口がよく動くように訓練したとしてもおしゃべりができるようになるか、というとそう単純なわけにはいきません。

お子さんは日々成長していく中で、伝えたいことがあるのにそれが伝わらなくて癇癪を起こすということが増えてきました。

親が音声言語にこだわってしまうとお子さんに苦しい思いをさせてしまうことがあります。親が価値観を変える必要があります。ことば=音声言語 ではなく、ことば=その子の心が伝わることが一番大事、と価値観を変えてみる。視線の使い方、仕草、表情、絵カードや写真カード、ジェスチャーも立派なことばであると。

お母さんと相談し、簡単な手話を取り入れて療育を行うことになりました。その子は私が使う手話を喜んで真似をするようになり、家庭でも手話を取り入れるようになり、少しずつ自分から表出する手話が増えてきました。

今では大好きな先生に遊んでもらいたい時は「一緒」「遊ぶ」と手話で表現することができるようになりました。

表出できる手段があるということが、その子の心にどれだけの安心感を与えることになるでしょう。

 

遅くなりました。ロイヤルサンセットの写真です。この写真は先週のもの。

 

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