『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

理想的な子育てのチャンス

ハート&コミュニケーション という素敵な名前をつけてくださった、私の人生に大きな影響を与えてくださった先生。その先生の講演会の中にこんなお話がありました。

 

<あるお母さんがおばあちゃんにこう言われたと。「あなたは聞こえない・聞こえにくい子供を持って本当に幸せなのよ」って。そう言われたのですと言っていました。どういう意味かというと、前にもお話しましたが、聞こえない・聞こえにくい子供を育てるということは、本当に子育ての基本。こうあるべき理想的な子育てができるチャンスをもらったということなのです。>

 

だいぶ前の話になりますが、私はこの先生が以前おやりになっていた聞こえない親子が通う教室に、実習生として1ヶ月近くお世話になっていました。先生がご自分の経験から、手話の必要性を訴え、大きな転換を図ってからの実習生でした。

 

どんな子どもにとっても子どもの学び場は遊び。遊びの中からたくさんのことを吸収していきます。学習的なことも、感情的なことも、体験することも、想像・創造することも。

先生のおやりになっていた教室は遊びが中心でした。遊びの中に学びがあり、遊びの中にことばを育む要素がたくさん入っている教室でした。本当に遊びしかしていなかった!

初めて実習に行った日はず〜っと遊んでばかりいるので、「あれ?」と意味がよくわかりませんでした。でも、毎日様子を見させていただくうちに、その遊びの中に含まれている深い意味が分かるようになりました。

親子が本気で向かい合い、豊かなコミュニケーションを取りながら遊んでいるのです。子供はみんな、お母さんが自分に寄り添い、共感し、コミュニケーションをとってくれるので生き生きとしています。本当に楽しそうでした。私はその頃子育ての真っ最中。自分の薄っぺらい子育てを反省しました。私の次に実習生としてお世話になった方も、その時子育ての真っ最中。「本気で子供と向かい合って子育てしているお母さん方の姿を見ると、自分の子育てがあまりにも浅いので、途中から実習に行くのが辛くなったわ。」と言っていました。

その先生に伝えたことがあります。「先生、聞こえない子の教室だけではなく、聞こえる子の教室も開いて欲しい」と。

小さい頃に親がこんなにも向かい合い、深い愛情を注いでくれたという体験は、その子の一生のお守りになるはずです。どんなに辛いことがあったとしても、きっと乗り越えられる力になるでしょう。そして、親にとってもこんなに濃密な子育てを体験できたことは幸せなことです。

 

そして、こんな素敵な教室に実習に行けるチャンスを与えられた私は本当にラッキーでした!その先生は今でも現役!日本中を飛び回って、聞こえないとはどういうことか、聞こえにくいとはどういうことか、を説いてくださっています。私の人生に大きな影響と豊かさを与えてくださった先生に、感謝です。

 

下の写真は、クローゼットの段ボールのお家でくつろいでいるうちのニャンコ。

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