『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

話しかけのコツ

小さいお子さんのことばを育むための大事なことの一つに、豊かなことばかけを意識することが挙げられます。でも、ただ話しかけ続ければいい、というものでもないのです。私たちだって隣でずっと実況中継のように話しかけられ続けられたら聞く気持ちが失せてしまうでしょう。大切なことは<子どもの気持ちに寄り添う>ということ。そして<間をとる>ということ。

 

子どもの気持ちに寄り添うことのヒントとして、その子の視線の先を一緒に見る、ということが大切です。例えば一緒にお花を見ていたとします。ママはそのお花に目をやっていたとしても、子どもはもしかしたら葉っぱについているてんとう虫を見ているかも知れません。そんな時に「お花だよ。きれいね。」とことばかけをしたとしても、その子の中には入っていきません。もしかしたら見ているてんとう虫を<お花>と覚えてしまうかも知れません。その子の視線の高さに自分の視線を置き、子どもの視線の先にある物をたどり、子どもと同じ物を見て、そこに話しかけをしていきます。

 

そして一つことばをかけたら<間をとる>のです。弾丸実況中継で話しかけても、小さいお子さんでは脳が処理できないのです。ゆっくり間を置いて話しかけてあげてください。ゆっくり・はっきり・繰り返し が大切。

 

一つのことばを表出できるようになるには800回聞く必要がある、という研究があるそうです。話しかけって大事なのです。ことば掛けをするのが何だか難しいなぁ〜、と思われる方は、毎日必ず繰り返されること。例えば、靴を履く、着替える、お風呂に入る、オムツを替える、など… その時のことばかけを毎日丁寧に行ってみると良いと思います。

 

ことばかけなどをせずに無言で靴を履かせて1年後。丁寧なことば掛けをしながら靴を履かせて1年後。どれだけことばの育ちが違ってくることでしょう。

 

もうすぐクリスマス。今年もシクラメンを買いました。華やかな色と姿に癒されます。

 

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