0.55秒遅れのいま
精神科医の中井久夫先生の「こんなとき私はどうしてきたか」という本を読みました。その中にこんな興味深いことが書かれていました。みなさんに紹介しますね。
私たちは、いま、思っていることが「いま」だと思っていますが、実はそうではなく、意識にのぼってくるまでに0.55秒たっているのだそうです。0秒の時に思っていることは無意識下にあり、意識にのぼってくるまでに0.55秒かかる。
<私たちは、この0.55秒遅れを「現在」と考えているわけですね。いま思いついたと。実際は殺してやりたいと思っていても「まぁ、待てよ」ということなんです。これで我々はなんとか日々を過ごしている。・・・この「待て」がしっかりしているかどうか。これを「良心」といってもいいかもしれません。「意識」と「良心」はヨーロッパで生まれた観念で、あちらではもともと同じ言葉なんですね。・・・私たちは0.55秒ほどの「意識的自己」の内容を、多少のことで揺るがぬほどにしっかりするように努力すればよいのです。>―本より抜粋―
私たちはこの0.55秒遅れを「いま」だと思って生きていて、それが「自分のすべて」だと思っているけれど、そうではない。0秒のときの無意識の自己は、たがが緩んだときに夢の中に現れてくるのでしょう。
だから、私たちはいまを生きているのではなく、0.55秒遅れを生きている。これがすっごく興味深かった!
それから、これは別の本で読んだのですが、たいていの人たちは「時間」というのを連続体で感じることができるけれども、時間の流れをきちんととらえられない、ということもあるのだそうです。だから、「いま」「いま」という時間が何度も何度も襲ってきて、それが非連続体で襲ってくるので、心が安定しない、ということもあるそうです。
当たり前に思っていることが、そうではない。「いま」という「時」に安定して向かえるということは、健康である証拠なのだなぁ〜。そんなことを考えた2週間でした。
庭のロイヤルサンセット、今年も綺麗に咲きました。それからこのマーガレット。花びらがまるでパステルで色を塗ったみたいになってます。花たちは、きっと0.55秒遅れではない0秒の「いま」を生きてる!
ハート&コミュニケーション