幸せに生きる
発達センターにA君という年長の男の子がいます。この子は毎日、バスで通ってきて、療育を受けています。私は今年度、このA君の担当になり、保育の先生方と一緒にこの子の支援をしてきました。
A君はいつも楽しそうなのです。いつも笑顔いっぱい!
人間は起きている大半は考え事をしていて、その考え事の中心は、将来の心配事や不安である、とどこかで聞きました。でも、A君は違う。いっつもニコニコ。幸せいっぱい。そして全力で生きていて、全力で自分の楽しい感情も、怒りの感情も、全身全霊で表現し、伝えてくるのです。
彼は最近、「〇〇したら、〇〇ね」という、ちょっとした言い聞かせが理解できるようになってきました。なので「お勉強したら、屋上(に行って遊ぶ)ね」と伝えると、屋上へ行くのを楽しみにしながら、私とのセラピーに付き合ってくれます。この日は1年ぶりにことばの発達のチェックを行う日でした。
チェックを終わり、屋上へ遊びに行くための洋服と帽子を見せ、行くことを伝えると、もう満面の笑みなのですね。皆さんに見せたいくらい!そして毎日屋上へ行って遊んでいるはずなのに、まるで初めて行くみたいに大喜びしているのです。
この様子を見ていて、ちょっと落ち込んでいた私は、彼から元気をもらいました。<ねぇ、先生、幸せに生きるってこういうことなんだよ。だから、いつも笑顔で!>と言われているようでした。
エリザベス・キュブラーロスが本の中で、<どんな人でもあなたの師になりうる>と言っていましたが、本当にそうです。A君、ありがとう。
ハート&コミュニケーション