『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

新生児聴覚スクリーニング検査(新スク)でリファーとなり、コロナで相談にいけない親御さんへ 5

テレビも新聞もコロナの話題ばかりですね。不安で身体が知らないうちに緊張しています。Facebookで霊長類学者ジェーン・グドール氏の発言を聞きました。彼女の伝えている「我々が自然を無視し、地球を共有すべき動物たちを軽視した結果である」との意見。本当にそうだなぁ、と思います。この方の意見を聞くまで、私はもっと狭い中で今回のことを考えていました。地球上の環境問題と貧困問題が根底にあること。どうしていけばいいんだろう。

 

さて、少しずつ赤ちゃんへの関わり方をお伝えします。

聞こえない子を育て、聞こえない・聞こえにくい子の教育にずっと関わり、今でも全国を飛び回っている私のお師匠さんである南村洋子先生が、「聞こえない・聞こえにくい子どもを育てるにはどうしたら良いですか?何か訓練をする必要がありますか?」と親御さん達にきかれると、必ずこうおっしゃいます。

「特別なことは必要ないのです。子どもとの毎日の生活をとにかく丁寧に行う。それだけ」

あるお母さんがこうおっしゃっていました。「一見簡単なようで、ものすごく大変。1日のうちで時間を決めて何らかの訓練をする方がおそらく楽だと思います」

本当にそうですね。でも、今のうちから少しずつ丁寧にを様々な場面で実践し、習慣づけられると良いと思います。

 

まず大切なのは、子どもと視線を合わせること。聞こえない・聞こえにくい子どもたちは「目の人」であると南村先生はおっしゃいます。その通り。だから、まずは視線を合わせるようにする。これは聞こえる人にとって簡単なようで、習慣にするにはなかなか難しい。私たちは視線を合わせなくても会話ができてしまうからです。でも、聞こえない・聞こえにくい子どもたちは、視線があったときの話しかけしか入らないということを覚えておいてください。後ろから話しかけたり、横から話しかけたり、「手話を使っています」と言ったって、手話を音声言語のように使っていてはダメ。ちゃんと子どもが見てくれていないのに、手話を使ったって無駄。聞こえる私たちは、手話と音声で話しかけると、音声が自分の耳にフィードバックされて、何だか話している気分になってしまうけれど。

視線を合わせる。これがまず大事です。見てくれないときは、見てくれるまで待ちましょう。

 

視線を合わせるために工夫しましょう。お母さんたちの手記から・・・

「子どもがうつ伏せになると、自分もうつ伏せになり、同じ姿勢でそばにいて、話しかけました」

「おもちゃや絵本を私の顔の横に持ってきてから話しかけるなど、目が合いやすいように工夫していました」

「目を合わせ、はっきりした反応、大袈裟なくらいな表情を心がけています」

南村洋子先生の本、きっとすごく参考になると思います。リファーと言われてから、3歳半までのお母さんの手記をまとめてあります。

木島照夫先生の「難聴児支援教材研究会 www.nanchosien.com」から購入できます。

 

ハート&コミュニケーション kotoba-heart.com

関根久美子

 

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