『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

 新生児聴覚スクリーニング検査(新スク)でリファーとなり、コロナで相談にいけない親御さんへ10

写真カードの作り方と使い方 その2

写真カードがあれば、おばあちゃんが帰ったあとも、おばあちゃんがそこにいなくても「おばあちゃん」についてのコミュニケーションがとれますね。いつもはいないおばあちゃん、目に見えないこと、目の前にないことを想起させることができるのです。

「おばあちゃんと 遊んだね。楽しかったね〜」「おばあちゃん、お家に着いたかな」「おばあちゃんも ご飯食べてるかなぁ」

 

どこかに行く前に写真カードで伝えるのも子どもにとってはとても良いですね。見通しが立つのでなんだか分からないまま支度をさせられて連れて行かされる、行き当たりばったりの生活、ということが減りますね。

 

ろう学校に行く前に「今日は ひよこ組に行くよ」。お友達のカードを見せて、「〇〇ちゃん、いるかなぁ。一緒に遊べるかなぁ」。ろう学校に行く途中でも写真を見せながら伝えておく。「ひよこ組に行くんだよ。〇〇ちゃん、おはようって言おうね!」。ろう学校に着いたら、その場所をマッチングして、〇〇ちゃんを探してマッチング。「〇〇ちゃん、いたね。おはよう、って言いに行こうね」などなど。家に帰ってからも、そのカードを使ってお話しができますね。

 

公園のカードも作ると良いですよ。いくつかよく行く公園があったら、この公園はこの子はブランコが好きだから、ブランコを撮ろう。こちらの公園は滑り台が好きだから、滑り台を撮ろう。そして、行く前に2つのカードを見せて選ばせてみると良いかも知れません。最初は上手に選べないかも知れないけれど、そのうち必ず視線や指差しなどを使って選んでくれます。

 

「病院に行くよ」と病院のお医者さんのカードを見せると泣いてしまう、というお子さんもいました。それだけよく分かっている、ということなのです。泣いてしまったら、気持ちを受け止めてあげましょう。「病院、行きたくないね。嫌だよね。すぐに終わるよ。終わったら、公園、行こうね」と公園のカードも見せるなど。

 

写真は子どもの目線で撮ると良いです。「おうち」のカードを作ったとして、マンションの外観をバーン!と撮ったとしても、子どもには分からないのですね。子どもの視点で写真を撮りましょう。家の写真を撮るとしたら、どこをどういう風に撮ったら子どもに一番分かるかな、と考えながら撮りましょう。いつも遊んでいるリビングでしょうか。

 

そして、写真カードはいつもお子さんの手の届くところに置きましょう。写真カードを使いながら生活をしていくと、写真カードに興味をもち、ジーっとひとりで見ていたり、気になったカードを指差してママに伝えてくれるようになるでしょう。

 

また、写真カードはリングなどでひとつの束にし、分けておくのもおすすめ。家族編、学校編、食べ物編、乗り物編などなど。学校の行くときには、学校の束を持っていけば良いので、活用しやすくなります。

 

子どもの発達として、最初はみんなやっぱり実物がよくわかり、その次の段階で写真が分かるようになり、その次に実物に似ている絵。その後にイラスト、という風になっています。なので、写真カードだけで分かるようになるまでには、実物とマッチングさせていきましょう。すると、だんだんと写真カードが実物を表すことに気づいてくれます。

写真カードと実物をマッチングし、見比べるという力は、見分ける力につながり、それは分かる力につながっていくのです。

 

こういう丁寧な関わりって、聞こえないとか、聞こえにくいとかに関係なく、聞こえる子どもにとってもとても良いことです。目に見えないことを想起させたり、見通しを与えて、理解させてから行動したりすることで、子どもも安心できるでしょうし、心の成長にも良いですよね。なにより子どもをひとりの個人として尊重することにもつながります。

 

あるお母さんの手記から

*写真カードを使い始めてから半年後、自分がとうもろこしを食べている写真カードを指差して「食べたい!」の意思表示が見られました・・・とても嬉しく、少し救われたような気持ちになりました。

 

Facebookに寄せられた、先輩お母さんからのアドバイスと絵日記の写真

*絵カード、写真カード、とっても懐かしいです。小さい頃よく作って使っていました。懐かしいです。

スーパーのチラシなんかを利用して作ったり。チラシは素材の宝庫でした。

あと毎日の小さな出来事をかいた絵日記。娘が2歳頃から書き始め、そのうち娘が自分で描けるようになり・・・たくさんのスケッチブックと日記帳は私の宝物です。

 

いつでもご質問やご心配なことがおありでしたら、お気軽にメッセージください。

ハート&コミュニケーション 関根久美子

k.sekine@kotoba-heart.com

Kotoba-heart.com

 

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公園の写真カード

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カテゴリーごとに分けられた写真カード

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あるお母さんから送っていただいた絵日記の写真

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絵日記の写真2