『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

突発性難聴について と 2月の空き状況

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

 

 お正月に久しぶりに妹に会った時、妹から「突発性難聴についてもブログに書いて。」と言われました。私の周りでも、妹の周りでも結構この病気の方がいるのですよね。芸能人でも堂本剛突発性難聴を患っている、ということでした。実は私も突発性難聴を経験したひとりです。

 突発性ということば通り、ある日突然耳が聞こえなくなるのです。聞こえなくなる耳は大抵が片耳。そしていつから耳が聞こえなくなったかがはっきりしています。

 夜寝ている時にごう音で目が覚めました。夜中に工事が始まったのかとな、と思っていると、その音源はなんと自分の耳!耳鳴りだったのです。そのごう音とともに耳が聞こえなくなっていました。突然聞こえなくなると本当に恐ろしいものです。

 こういう仕事をしているので直ぐに突発性難聴だと判断し、次の日の朝に直ぐに耳鼻科へ。突発性難聴になって72時間以内に治療を始めると治る可能性が高くなります。早ければ早いほど良いのです。突然聞こえにくくなるのだから、また突然聞こえるようになるのだろう、なんて思わないことです。治療開始が遅れれば遅れるほど治りにくくなってしまいます。

 実は私は2回も突発性難聴を経験しました。片耳ずつ。運よく信頼できる耳鼻科のお医者さんの元で早期治療を開始することができ、完治することができました。また、聞こえなくなる他にめまいを起こすこともあります。その場合はメニエール病という病気が疑われます。

 2回とも片耳40dBの難聴になっていたのですが、40dBってこんなに聞こえないんだぁ!とびっくりしました。そして常にある耳鳴り。テレビから聞こえてくる女性の甲高い声がすっごく不快で、目の前で喋っている家族の声が聞こえ難い!

 耳鳴りと言えば、こんな嘘のような本当の話があります。以前、聞こえない人で耳鳴りで困っている、という方がいました。耳鼻科のお医者さんに相談したら「耳が聞こえないのにどうして耳鳴りが聞こえるの?」なんて言われた、とのこと。うわっ!こんなことを言う専門のお医者さんがいるんだ!とビックリ。聴力に関係なく耳鳴りは起こるのです。内耳の神経の問題ですからね。

 私の2回の体験から、どちらも疲労とストレスがあり、生活が不規則で、少し風邪を引いていました。血行が悪かったりすることも良くないと思います。

 皆さん、もし耳が聞こえ難いな、と思ったら、直ぐに耳鼻科へ行ってくださいね。早期治療と絶対安静。この二つが大事です。

 

 ハート&コミュニケーション

 http://kotoba-heart.com/

 

 ハート&コミュニケーション2月の空き状況

 2月3日(土)14時

 2月10日(土)14時/16時

 2月11日(日)14時/16時

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フランスのクリスマス

今日はクリスマスイブですね。皆さんいかがお過ごしですか?

 

私が以前住んでいたストラスブールという街はドイツとの国境にあり、ドイツ文化の影響を受けています。クリスマス1ヶ月前になると<マルシェドノエル>というクリスマス市場が立ち並び、ヨーロッパの気分が落ち込んでしまう長い灰色の冬に華やかな彩りを与えてくれます。そのクリスマス市場ではクリスマス用の飾り、もみの木が売られ、ヴァンショという暖かい甘いワインを飲みながらその雰囲気を楽しみます。

 

クリスマスが近づくと家ではクリスマスのクッキーを作り始めます。私のお友達が下宿していた先のフランス人のおばさんは、数種類のクッキーを何百個も焼いていました。

 

クリスマスは家族みんなが集まってお祝いし、フランス人が大好きなフォアグラやスモークサーモン、生牡蠣などを前菜にいただき、シャンパンで乾杯!

 

クリスマスイブの夜には誰一人街を歩いている人がいなくなり、タクシーも路面電車も停まってしまい街は本当に閑散としてしまいます。皆、家に帰り、お祝いをするのです。

 

一度、パリの修道院でクリスマスを過ごしたことがあります。シスターと一緒にミサに参加し、キリストの生誕のお祝いをしました。修道院なのでそんなご馳走はなかったのですが、フランスはキリスト教の国なんだなぁ、なんて改めて思いました。

 

子どもたちが待ち焦がれているサンタクロース。私のお友達のフランス人は、ご主人が子ども達に分からないようにサンタの仮装をし、外に長い梯子をかけ、3階の窓から侵入。子ども達はもうビックリ!泣き出す子もいたようです。

 

本当はことばのことについて書くつもりだったのですが、クリスマスの話に逸れてしまいました。次回、書きます。

それでは皆さん、メリークリスマス!

 

家では昨日早々とお祝いをしてしまいました!

 

ハート&コミュニケーションのホームページ

http://kotoba-heart.com/

 

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話しかけのコツ

小さいお子さんのことばを育むための大事なことの一つに、豊かなことばかけを意識することが挙げられます。でも、ただ話しかけ続ければいい、というものでもないのです。私たちだって隣でずっと実況中継のように話しかけられ続けられたら聞く気持ちが失せてしまうでしょう。大切なことは<子どもの気持ちに寄り添う>ということ。そして<間をとる>ということ。

 

子どもの気持ちに寄り添うことのヒントとして、その子の視線の先を一緒に見る、ということが大切です。例えば一緒にお花を見ていたとします。ママはそのお花に目をやっていたとしても、子どもはもしかしたら葉っぱについているてんとう虫を見ているかも知れません。そんな時に「お花だよ。きれいね。」とことばかけをしたとしても、その子の中には入っていきません。もしかしたら見ているてんとう虫を<お花>と覚えてしまうかも知れません。その子の視線の高さに自分の視線を置き、子どもの視線の先にある物をたどり、子どもと同じ物を見て、そこに話しかけをしていきます。

 

そして一つことばをかけたら<間をとる>のです。弾丸実況中継で話しかけても、小さいお子さんでは脳が処理できないのです。ゆっくり間を置いて話しかけてあげてください。ゆっくり・はっきり・繰り返し が大切。

 

一つのことばを表出できるようになるには800回聞く必要がある、という研究があるそうです。話しかけって大事なのです。ことば掛けをするのが何だか難しいなぁ〜、と思われる方は、毎日必ず繰り返されること。例えば、靴を履く、着替える、お風呂に入る、オムツを替える、など… その時のことばかけを毎日丁寧に行ってみると良いと思います。

 

ことばかけなどをせずに無言で靴を履かせて1年後。丁寧なことば掛けをしながら靴を履かせて1年後。どれだけことばの育ちが違ってくることでしょう。

 

もうすぐクリスマス。今年もシクラメンを買いました。華やかな色と姿に癒されます。

 

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ろう難聴教育研究会 1月合宿研究会について

とっても良いお天気ですね!

 

ろう難聴研究会で恒例の合宿研究会を1月27日・28日に開きます。

会場は さわやかちば県民プラザ・小研修室1

 

2018年1月27日(土)13時半〜17時

「人工内耳の現状について」斉藤宏先生(帝京大学病院 言語聴覚士

 

28日(日)9時半〜12時半 

「下校後の豊かな手話環境の確保を目指すデイサービスの取り組み」

阿部光佑先生 (新潟県立ろう学校教員)

 

13時半〜14時50分

「私のコミュニケーション体験を振り返って」

井上正之先生 (筑波技術大学准教授)

 

皆さま、是非ご参加ください。

 

問い合わせ先は  kimiko_fujita@jcom.zaq.ne.jp

 

リンゴとお手紙

数年前からみている男の子。今は立派な小学生。特別支援学級に通っています。先日、彼が書いたお手紙とともに、とっても美味しいリンゴが届きました。雪国のおばあちゃんちから届いたというリンゴのお裾分け。採りたてのリンゴは蜜がたくさん入っていて驚くほど美味しいものでした。彼が書いた手紙の文字は、とってもしっかりとした筆圧で書けていてこれまた大感激!私の宝物になりました!有難うございます。

 

小さい頃はなかなかコミュニケーションが成立しにくかったり、ちょっと難しい課題だと自信がなくなってしまってやる気がなくなってしまったり… 今では学ぶことが大好きな、素直で優しい男の子に育っています。

 

とっても印象深いエピソードの一つに、年中さんの時だったかな?ドアの前でドアに向かってしゃべっている、ということがよくありました。ドアに向かって「開けて」。開かないとドアの前で怒っている。ドアの前だけでなく、歯を磨く場面でも歯ブラシを取ってもらいたくて鏡に向かっておしゃべりをしていたりしていました。

 

彼だけではなく、結構こういう子っているんですよね。おしゃべりはできるのだけれど、ことばでのコミュニケーションとは受け取る相手がいて成立するものであり、その発信されたことばを相手に分かるように聞かせる必要がある、ということの理解が難しいということです。そのことばを言うだけで事が足りると理解してしまっている、ということ。なので<伝える>という練習をスモールステップでしていく必要があります。

 

今ではコミュニケーションがスムーズになり、楽しいお話が一緒にたくさんできるようになりました。彼のニコニコしている笑顔を見るのが私は大好き。

どんな男の子になっていくのでしょう?とっても楽しみ!

 

〇〇くん、リンゴとおてがみ、ありがとう。

 

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挨拶しなくちゃ!

道を歩いている時に誰にでも挨拶しちゃう男の子とお母さんが私の前を歩いていました。誰にでも挨拶をしています。道端に自動車が停まっていて、中に数名の人がいたのですが、その自動車にわざわざ近づいて行ってご丁寧に挨拶。「おはようございます!」 

一見するとおしゃべりもしているし、発達に偏りがあるとは思えない様子なのですが、でも、やっぱり違和感。

その子は<人には挨拶をする>と覚えたのでしょうね。

 

私たちが誰に教わったのでもない暗黙のルールや暗黙の了解がなかなか理解できないことにその子の大変さがあります。そして人と人との距離の取り方にも。いつ挨拶をするべきか、どういう人に挨拶をするべきか、知っている人とそうではない人を区別すること、そういうことへの理解に未熟さがあります。

 

以前、誰にでもハグをしちゃう、という子がいました。電車に乗っている時にも知らない人に近づいて行ってしまう。「可愛いね!」と言われるうちは良いのですが、そうではなくなった時にはちょっと困ってしまいます。お母さんも心配していたのを思い出します。

 

もし誰にでも挨拶をしてしまう、とかハグをしてしまう、そういうことがあったら、地道にお子さんに繰り返し伝えていくことが大切になってきます。親が話しかけない時には話しかけないこと。ハグをされたらしてもいいが、されない時にはしてはいけないこと。手を出されたら握手をしてもいいけれども、そうではない時には握手をしないこと。それを繰り返し伝えていく。

 

さて、その冒頭の男の子。私とすれ違う時に挨拶をしに来てくれました。私も挨拶を返します。お母さんはちょっと苦笑い。私は心の中で(分かっていますよぉ〜)という気持ちとともにお母さんに微笑み返しました。

 

おやつが欲しくてキリッとしているうちのワンコ。

 

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聞こえない文化

先日、多方面で活躍されている聞こえない方の講演を聞く機会がありました。その方は人を惹きつける話術と豊富な話題と知識の持ち主です。

 

私が初めてその方のお話を聞いたのはもうずいぶん昔のこと。<理想的な子育てのチャンス>というブログで書いた先生がおやりになっていた教室で、聞こえない子供を育てている親御さんに向けた勉強会に参加させてもらった時のことでした。その時のお話の内容は<聞こえない文化と聞こえる文化の違い>。その内容は私にとってとても興味深く、かつ納得できるものでした。

 

聞こえる世界ではクラスの友達を一斉に振り向かせたい時に声を使うけれども、聞こえない世界では電気を点けたり消したりする。聞こえない人を呼ぶときにはポンポンと肩を軽くたたく。聞こえる世界では大きな音が出ないようにドアの閉め方に気を配るということを、聞こえる家族から教えてもらった、などなど。初めて聞いた聞こえない人の講演。音声での通訳がついた手話での講演。言語聴覚士の勉強では習わなかった、聞こえない人の話・聞こえない世界・聞こえない文化。

 

その講演でとても印象に残っているのは、聞こえる女の子に書いたラブレターの返事。<友達でいましょうね。>その曖昧な返事の意味がよく分からずにいたら、聞こえる家族がその説明をしてくれた、というお話。<聞こえる文化で 友達でいましょうね は、振られた、ということなんだよ。> 聞こえない文化ではそんな曖昧な言い方はしないそう。そんな話を聞いて、フランス文化に近い聞こえない文化に、とっても親近感を持った覚えがあります。

 

フランス文化でも曖昧な表現は通じませんでした。例えばフランス人の友達に遊びに誘われて、「多分」と答えると、「Kumikoは日本人だからはっきり言わないのかもしれないけれど、多分、という言葉はフランスではOuiだからね。気をつけなさいよ。」 

かといって、なんでもズケズケとダイレクトに言っていいかというと、ちゃんと一線がある。当たり前ですけれどね。やっぱり人間同士ですから。コミュニケーションは気持ちよく。

 

異文化に触れることで広がる自分の世界観そして価値観。人生が豊かになります。

 

うちのニャンコ。なんか王様みたいな感じ。素敵に写りました。

 

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