『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

2018-01-01から1年間の記事一覧

子どもの様子を見る視点

「ろう学校の乳幼児教育相談」というテーマで、言語聴覚士の卵たち用の本に少しだけ書かせていただくことになり、その準備でバタバタしていて、ブログの更新が滞っていました。その執筆にあたり、難聴児支援教材研究会代表の木島照夫先生とやりとりがあり、…

ヴァンサンへの手紙

ヴァンサンへの手紙 J’avancerai vers toi avec les yeux d’un sourd 皆さん、「ヴァンサンへの手紙」という映画をもうご覧になりました? フランス語のタイトルは「ろう者の視点であなたに近づく」というものです。まだ、ご覧になられていない方はご覧にな…

何気ない耳学問

先日、仕事場で、隣の机でケース検討をされているお二人の先生の話の内容を、パソコンを打ちながら聞いていました。 「一日に喋ると気が済む最低の量があって、女性は6000語なんですって。男性って何語だと思います?」なんていう雑談がありました。「答…

不安な心

新しい場所、初めて会う人、初めてやること、初めての経験、ちょっとした変化、予定外の出来事など。そういうことに不安になってしまうことってあります。私は自分のことを考えるとき、予定していたこととちょっと違うことになってしまうと、「ま、いいか」…

人工内耳と発達障害

今、人工内耳の手術ができる年齢がだんだんと早くなってきています。以前は1歳半と言われていた年齢が、なんと1歳から(体重が8キロ以上)可能となっています。 私は1歳という年齢での手術に疑問を感じます。たぶん、私だけでなく、他の皆さんも思っている…

人工内耳という選択

かなり前なのですが、「音のない世界で」というアメリカのドキュメンタリーを見たことがあります。内容がとても深く、難しく、考えさせられるものだったので記憶に残っています。たしか以下のような内容でした。 ろう者の夫婦に生まれた聞こえない女の子の話…

南村先生の本

私の恩師である南村洋子先生の本ができました! 初めて南村先生にお会いしたのは、先生がトライアングルの教育主任をおやりになっているときでした。実習先が数日前になって急きょトライアングルになったのです。本当は別の小児施設へ実習に行くことになって…

手話と音声

「手話を使うと音声が出なくなるので、手話を使うのはやめたほうがいい」「手話を使うと目に頼ってしまって、耳を使わなくなるから、手話は使わないほうがいい」と、言語聴覚士(ST)や医師に言われたという親御さんが時々いらっしゃいます。初めて見学にい…

伝えること と 伝わること

先日、発達センターでのお仕事で、「伝える」ことは「伝わる」ことではない、ということを改めて感じました。こういうことはずっと思ってきたことなのですが、発達センターの子ども達に限らず、相手に伝わるように伝えることって難しいですね。 子ども達は発…

最近、思ったこと!

3歳になる聞こえないお子さん達の発達検査をとっていて、ふと考えたら、これってすごいことじゃない!と気づきました。 最近、子どもたちが当たり前のように答えられるから、なんだか当たり前のように思ってしまっていたのですが、以前と比べると、実はすっ…

三つ子の魂百まで

数年前からカウンセリングの勉強をしています。ある先生が開いている勉強会に参加してきました。いろんなケースを例に出し、そのケースの小さい頃からの育った環境などを分析し、どうしてこんなことにつながっていってしまったのかを考えてきたりしました。…

0.55秒遅れのいま

精神科医の中井久夫先生の「こんなとき私はどうしてきたか」という本を読みました。その中にこんな興味深いことが書かれていました。みなさんに紹介しますね。 私たちは、いま、思っていることが「いま」だと思っていますが、実はそうではなく、意識にのぼっ…

唯一の存在

以前、なにかの勉強会で聞いたお話。 昔、ヨーロッパの王様(多分、フリードリヒ大王)がこんな研究をしたそうです。生まれたばかりの赤ちゃんを十数名集め、親元から離してお城で召使いに育てさせたそうです。その赤ちゃん達と親御さん達には本当に気の毒だ…

発達には順序がある!

<発達には順序がある。> このことを理解していただけるといいのになぁ〜、そうすれば親子ともどももっと楽に過ごせるのになぁ〜、と思うことがあります。どうしたら理解していただけるのかな、といつも試行錯誤で親御さんにお子さんのことをもっと理解して…

どこどこ? 

昨日に引き続き、今日も! ことばの相談に来ている男の子。ママが作った私の写真カードを来る前に見せてきたとのこと。さすがママ!その写真を見せると私に差し出してきました。ちゃんと分かってる! 彼は大好きなアンパンマンの人形を持ってきました。その…

母ってすごいなぁ! その2

1年前のブログにも同じ題名で書きました。今年も! お子さんが聞こえない・聞こえにくいと分かってから、ろう学校の乳幼児教育相談に通った親御さん達を集めて今年度のお話の会を開きました。 テーマは生まれてから今までのこと、子どもとのコミュニケーショ…

分かる事柄、分かることば、そして意欲!

今日は柔らかい日差しが気持ち良いですね。草木も一斉に新芽を出し始め、たくさんのエネルギーを感じます。 昨日はろう学校の卒園式。赤ちゃんの時に来室した子ども達が立派なお兄さん、お姉さんになった姿に感激しました。 さて、今日は前回の発達に引き続…

ことばは全体発達の一部

今日はとても良いお天気ですね! 以前もこのブログで書いた覚えがあるのですが、大事なことなのでもう一度。 皆さん「お子さんのことばが遅れていて心配」、とのことで相談にいらっしゃいます。ことばは全体発達の一部なので、ことばだけが遅れているという…

声に引きずられないように

聞こえにくいお子さんと接している時に気をつけていること。自分に言い聞かせていること。それは、声に引きずられない、ということ。これは私たち聞こえる人間にとっては本当に難しいことです。聞こえる人間はどうしても声に引きずられてしまいがちです。 「…

子どもって おもしろい!

息子たちが小さかった時、一緒に国立博物館へ行きました。その時に「ダーウィンの進化論」の特別展が開催されていたのです。猿から人間への進化が分かりやすく説明されていました。それを見て帰って来て、息子が「お母さんって、前、猿だったんだよね。」と…

聞こえない人は 目の人

先週末はろう難聴教育研究会の研究会が開かれました。2日間の研究会だったのですが、その中で一緒に役員をされている筑波技術大学の井上先生のお話がありました。 ろう難聴教育研究会を長年されている先生方は、皆さん熱心で優秀な方々ばかり。大変勉強にな…

プロセスを大事に

発達の遅れがあり、目が合いにくい年長さんのお子さんの相談。ことばでの表出はまだなく、欲しいものがあると指差しで要求。大人しくて素直なお子さんなので家庭では困ったことがないとのこと。お母さんなのでお子さんの伝えたいことはよく分かる。 例えばこ…

本物のことばを育むために

以前こんなお子さんに会いました。お子さんは発達に遅れがあり、小さい頃から<言語訓練>に通っていました。お母さんは熱心な方で、お家でもその<言語訓練>を続けていたのだと思います。いつも使っている絵カードでは、「リンゴ どれ?」と言うとちゃ〜ん…

突発性難聴について と 2月の空き状況

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 お正月に久しぶりに妹に会った時、妹から「突発性難聴についてもブログに書いて。」と言われました。私の周りでも、妹の周りでも結構この病気の方がいるのですよね。芸能人でも堂本剛が…