『ことばの相談室』徒然

ことばやコミュニケーションについて心配や気になること、お子さんに聞こえの問題があり子育てに不安がある、発達全般について心配がある・・・などなど、国家資格を有するカウンセリングサロンです

不安な心

新しい場所、初めて会う人、初めてやること、初めての経験、ちょっとした変化、予定外の出来事など。そういうことに不安になってしまうことってあります。私は自分のことを考えるとき、予定していたこととちょっと違うことになってしまうと、「ま、いいか」と思えずに、ちょっと心が落ち着かなくなってしまうことがあるかな、と思います。

 

発達に偏りのあるお子さん達で、このちょっとした変化にとっても弱い子ども達がいます。

彼らにとって、大人が思う「ちょっとした変化」は、ショッキングなことなのだと思います。

 

あるお子さんはお母さんと帰宅途中、いつも通っている道が工事中だったので、別の道を通らざる負えなくなりました。別の道を通るとパニックを起こし、逃げ出してしまいました。

 

あるお子さんは、今までやったことのない課題を提示したところ、それがとても不安だったようで、床に転がり、自分の頭をバンバンと叩き始めました。

 

あるお子さんは、不安になると、その場面には合わないフレーズを言い始めます。それは大好きなおばあちゃん家に行けるかな、というフレーズ。毎回「〇〇ばあばんち いく?」と聞いてきました。

 

あるお子さんは、次に起こる予定を、何度も何度も確認してきます。

 

あるお子さんは、自分の近くに友達が近づいてくると、押し倒してしまいます。他人は自分にとって、何をするかわからない存在なのでしょう。もしかしたら、今、自分が遊んでいるおもちゃを取っていくかもしれない。

 

あるお子さんは、私と初めて会ったのにも関わらず、いきなり自分のことを話し始め、その話は何の脈絡もなく始まり、そして止まらなくなりました。セラピー中も自分勝手なお話に夢中。

 

彼らは、確実なものへの信頼が大きいのでしょう。一度体験したことで確実に大丈夫だったこと、一緒に遊んで楽しかった人。私もそういう気持ちすっごくわかります。未来は確実なものであって欲しい。でも、それは本当は不確実な要素も含んでいる。

 

一見、<良くない行動><矯正したくなる行動>をする子ども達。でも、その子ども達はとても混沌とした中に生きていて、そういう風にしか<不安である>、ということを表現できない、ということを私たち関わる人たちが理解してあげる必要があるな、と思います。

 

私たち関わる大人が、子どもが今、どうしてこういうことになっているのかを考える。想像力を豊かに。彼らの伝えてくる非言語のことばに耳を傾ける。そして、子どもの大好きな遊びに付き合いながら、子どもとの信頼を築くこと。それが、彼らの安心につながっていくのかな、と私はいつも思います。

 

 

私がずっとみているお子さんの絵。今日も遠くから来てくれる。ありがとう。待ってま〜す。

 

ハート&コミュニケーション

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