あるツイッターの記事から
知り合いのS Tの方から、私のことを今井さんが話しているよ、と連絡をいただきました。
1月に、今井さんがろう学校に視察にいらした時、お会いし、お話をさせていただきました。
この教えていただいた記事(https://twitter.com/tafumi1717/status/1233993225418895360?s=20)の中で、書き方でちょっと気になった部分があったので投稿します。多分今井さんは、そういう意味で言っていたのではないと思われます。
まず、今井さんは聞こえないお子さんを育てています。今井さんのおかげで、自民党難聴対策推進議員連盟の提案の中に「手話」ということばが入りました。もしかしたら今井さんがいなかったら、ろう学校はなくなる方向になっていたかもしれません。本当に良かった。
今井さんとお話しさせていただいた時、
・0歳児の支援が大切であり、この入り口でその親子の将来が決まってしまうと言っても過言ではないこと。
・親御さんに聞こえない・聞こえにくいとはどういうことかを理解してもらうことが、全ての土台になること。
・親と子どもの愛着関係の構築には、子どもが聞こえないので、音声のみのコミュニケーションでは限界があること。
・0歳から3歳までの時期にそれが構築されなくては、大きくなってから自己肯定感が育たなく大変になってしまうこと。(これはどんな子にとってもそうですね。発達障害を抱えていても、肢体不自由を抱えていても、知的障害を抱えていても、聞こえても、聞こえなくても、聞こえにくくても、同じなんです。)
・その大切な時期に、子どもが聞こえない・聞こえにくいのだから、聞こえる子と同じコミュニケーション体験では、親子の愛着関係が育たない恐れがあること。
・聞こえに着目するだけではダメで、子ども全体をみれる視点が必要なこと。
・どんなに手を尽くしても聞こえないので(100%聞こえる状態にはならない)ので、手話が必要なこと。
などを中心に話をさせていただきました。
また、S Tを聴覚障害の領域に配置するにしても、聴覚障害分野は奥が深く難しいので、そのS Tを育てるための時間が必要があり、自分も長い時間をかけて、南村先生やろう学校の先生に育てていただいた、ということも伝えました。
S Tはどちらかと言うと、どうしても「聞こえ」に着目してしまいがちです。聞こえない・聞こえにくい子ども達は、「聞こえ」だけでできているのではなく、聞こえる子と同じ「子ども」です。まず、その視点が大事かな、と思います。
そして、専門家と言われるには、深い障害認識と、テクニック、そして知識が必要です。それを身につけるには、やはり多くの時間を必要とし、私もまだまだ勉強中でもあります。
また、特に聴覚障害分野では、今井さんもおっしゃっていましたが、最初に誰に会うかで、その親子の将来が決まってしまうところがあります。
私は「聞こえない・聞こえにくい、あなたが好き」と言える親御さんになるように、支援していきたいと思っています。
それから、手話は0歳から使います。聞こえる子は生まれてすぐからことばを聞いて育っています。聞こえない・聞こえにくい子もできるだけ早くから手話を見て育っていけるように。
手話は人工内耳をするまでのものではなく、人工内耳をしてもしなくても、全ての聞こえない・聞こえにくい子ども達に必要です。そして、手話は言語ですから、途中で手話を使わなくする、ということもありません。私たちは日本人で、日本語を途中で外すなんてあり得ないでしょう。
と、ちょっと熱くなってしまいました。
最近大笑いした0歳児のお子さんの話。
その子は1歳4ヶ月。手話でのコミュニケーションが成立するようになってきました。食事の時に、初めて食べさせた物を、その子がベーっと出してしまったそうです。お母さんはちょっと疲れていて、虫の居所が悪く、怖い顔をして怒ってしまったそうなんですね。そうしたら、その子、ビックリして泣いてしまって、でも泣きながら「おいしい」と手話をして自分から食べたそうなんです。
すごくないですか?1歳ちょっとで、どうしたらお母さんが笑顔になってくれるのか、そのお母さんの気持ちを察して、気遣って表現した「おいしい」なんですね。すごいですよねぇ。
Kotoba-heart.com
ろう難聴教育研究会 2月研究会のお知らせ
2月研究会のご案内
みなさま、ぜひ、ご参加ください。
1 日時:2020年2月22日(土)13:00~20:00、23日(日)10:00~15:00
2 会場:日本大学文理学部 新本館5階50110/教育・数学ティーチング・ラボラトリー教室(正門右側1号館を通り抜けた先の棟、エレベーター5階後ろの男子便所隣)
〒156-8550 世田谷区桜上水3-25-40 TEL 03-3329-1151
3 参加申込など
- 所定の申込用紙あるいは同じ項目で必要事項を記入し、
- メールまたはFAXで、2月17日(月)までに下記へ申し込んでください。
・メールでの申し込み info@edh.main.jp 藤田公子
・FAXでの申し込み 043-279-4437 藤田公子
- 参加費は当日受付でお支払いください。
- 会員の方へ 未払い年会費を、振り込むか当日受付でお支払いください。
※ 参加定員は40名です。先着順で受付ます。定員内なら当日受付します。
4 会場案 内(地図は「日大文理学部アクセス」で検索)
交通
- 京王線新宿-下高井戸間(乗車時間10分)徒歩8分
※下高井戸駅からなら、会場までは一本道でわかりやすいのでお勧め。急行が止まらないので各停か快速をご利用下さい。
5 プログラム(予定…変更することがあります。)
2月22日(土) |
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13:00~ |
受付開始 |
13:30 |
開会あいさつ |
13:35 ~17:00 |
① 乳幼児支援の実情報告(来談数、コミュニケーション法、支援内容など) 立川ろう学校(中澤博美)、葛飾ろう学校(松澤真喜子)、大塚ろう学校、大宮ろう学校等の報告後、参加者どうしの情報交換をします。) ② 自民党議連の「難聴対策」提言と「朝日新聞記事」をめぐっての 情報交換と協議 ・乳幼児相談への影響、・早期人工内耳装用によるろう学校不要論、・ろう学校乳幼児(0~2歳)支援のあり方、などを観点に議論します。 |
18:00~21:00 |
飲食懇談会 (下高井戸駅近くのお店) |
2月23日(日) |
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10:00~12:00 |
「手話で育った大塚ろう学校の子どもたち…研究のまとめ」木島照夫 (多様なコミュニケーション法の活用という学校の方針転換により大塚ろう学校に手話が導入されて20年になります。その子もたちの育ちについて長年追跡研究を行ってきたまとめをすることにより日本語の育ちを検証します。) |
12:00~13:00 |
昼食 |
13:00~14:55 |
「手話をベースとするろう教育」を考える。(ろう難研役員が提案者) ・「ことばはコミュニケーションの中で生まれ育つ」なら、きこえない子の手話言語、日本語の育ちは、どうすればよいのか (豊かな手話言語環境をどうつくるか、人工内耳装用児の手話の育ちをどう考えるか、二言語獲得の同時進行は可能か、日本語の育ちを聴覚、視覚のどちらに頼るか、などを観点に議論します。) |
15:00 |
閉会あいさつ |
2月(合宿)研究会(2月22日・23日)参加申込書
申込締切:2月17日
mail:info@edh.main.jp 藤田公子
Fax:043-279-4437 藤田公子
※ 申込受付確認の返事をEメールまたはFAXで行います。
- 該当する箇所を○で囲んでください。
ふりがな |
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氏名 |
(会員 非会員 新規入会希望) (ろう 難聴 聴) |
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立場 |
教員 保護者 学生 研究者 医者 言語聴覚士 その他( ) |
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所属 |
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住所 |
〒 |
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Eメール |
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連絡先 |
FAX |
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TEL |
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参加区分 |
・22日のみ ・23日のみ ・両日 |
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参加費 |
項目 |
金額 |
○を記入 |
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会員 |
一般(両日参加) |
3,000円 |
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一般(1日参加) |
2,000円 |
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学生(両日参加) |
800円 |
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学生(1日参加) |
400円 |
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非会員 |
一般(両日参加) |
4,000円 |
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一般(1日参加) |
2,400円 |
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学生(両日参加) |
1,600円 |
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学生(1日参加) |
800円 |
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飲食懇談会費 |
2,500円 |
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合計(記入してください) 当日受付でお支払いください |
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子どもの立場に立つ
私がずっと関わっている都内のろう学校の乳幼児教育相談は、その支援の内容がとても充実しています。私は言語聴覚士なので、ろう学校で働く前は病院で、聴覚障害をもつ赤ちゃんやお子さんの聴覚管理や個別指導、グループ指導の仕事をしていました。病院は保険点数が関わってきますから、1回のセッションはひとり20分または40分となっています。内容の濃い指導は不可能に近かった。最大の違いは、新生児スクリーニングを受け、リファーと言われたお子さんのご両親に、「聞こえない・聞こえにくいとはどういうことか(障害認識)」ということを理解していただく、という点だと思っています。
先日、ろう学校の0歳児グループの懇談で、ふたりのお母さんが生活の記録に書いてくださった内容を取り上げました。その内容は「子どもが手話で表現してくれるのはとても可愛いし、嬉しい。けれど、やっぱり心のどこかで、音声言語で話してくれたらな、という想いがある」「ろう学校にしばらく行くことができず、意識が低下し、補聴器をすると音に反応するので、難聴だということを忘れて関わっていた」というものでした。
ひとりひとりのお母さん方に、この内容を聞いてどう思うかを聞いていきました。皆さん同じような想いをもちろん抱えていました。
ひとりのお母さんがこう言いました。「うちの子は聴力が重いので、音声言語、ということに関しては難しいかな、と思っている。だから、手話で表現してくれたらとても嬉しいし、もっと表現して欲しいと思う。表現してくれる以前に、今は、ちゃんと理解できているかな、という視点で子どもを見ている」とおっしゃっていました。このお母さんはお子さんが生後2ヶ月くらいからこの乳幼児教育相談に通っています。この1年で、このお母さんの中に、ものすごい価値観の変化があったのだな、と感慨深く思いました。
あるお母さんは、このお正月に実家へ帰省したときに、子どもが補聴器をつけると音に反応したり、声を出す様子を見た祖父母が「聞こえているじゃない。大丈夫よ」と事あるごとに言ってきたことに対しての戸惑いでした。
あるお母さんは「まだ赤ちゃんで、聞こえる赤ちゃんと何も変わらない様子を見て、聴覚障害があるということを意識できない」とのことでした。
そんな話を皆でしたあとに、南村洋子先生からの一言がありました。
南村先生は私のお師匠さん。先生からはたくさんのことをずっと教えていただいています。この世界に入ったきっかけは南村先生。私の人生に大きな影響を与えてくださった方です。南村先生は<0歳児の間に、その後の親子の将来のほとんどが決まる。そのくらい0歳児の指導は大事。ろう教育の要>と常におっしゃっています。私もそう思います。0歳児の間に親子の愛着関係がきちんと形成され、聞こえる親が自分の価値観を変え、障害認識を深めることができたら、多分、その親子は大丈夫だろうと思います。これは聞こえに関係なく、どんな親子にとっても、この原体験のような時期の親子の愛着関係は、その子のそれ以降の人生の核になっていくと思います。そして、どんな子にとっても、この土台がきちんとしていないと、なにも先に進まない。
その南村先生からの一言は「聞こえない子どもの立場に立って考えてほしい」ということでした。周囲からあなたは聞こえているから大丈夫。きれいに話せているから大丈夫、と言われ続けると、本人は聞こえない、分からない、ということが言い出せなくなる。そういう人生をずっと積み重ねていくことになる。そんな話をしてくださいました。
グループに指導員として入ってくれている聞こえない先生も「自分は以前は中等度難聴でした。でも今は全く聞こえなくなりました。私も周囲から、あなたは聞こえている、きれいに話せているから大丈夫、と言われ続け、聞こえない、ということが言い出せなくなり、分からないことが分からなくなってしまった」とおっしゃっていました。
そんな話を聞いていたお母さん方の何人かは、涙を拭いていました。そして、あるお母さんが、「結局は、自分が変わる必要がある」とおっしゃいました。皆、深く頷きました。
そんな深い内容の2時間半のグループ活動を終え、グループダイナミックの力と、自分だけではない、という感覚、そして、話をすることで自分の気持ちを<放ち>、自分のなかに落とし込み、自分と子どもと向き合い、今自分が思っていることと向き合う、そういう支援ができるこの乳幼児教育相談は本当の支援をしている場所、原点であると思います。そういう支援ができるこの乳幼児教育相談を大切にしていきたい。そして、この乳幼児教育相談に来てくださる親子がこれから先、ずっと笑顔でいられるように、願わずにはいられません。
さてさて、この写真は、フランスから持ち帰ったアルザスのバター入れ。こんなふうに水を入れ、バターを入れます。水が入っているからバターが酸化しないのです。しかも容器は保冷される効果があります。すごく便利!日本でも売っているといいのに。
それからこちらは大好きなコンフィドカナール。鴨を焼いた油でジャガイモを炒めていただきました。ボナペティ!
子どもの留学
先日、朝のNHKニュースを見てビックリしたことがありました。
日本では、今、小さい頃から子どもを英語圏の国へ留学させるのが流行っているとのこと。子どもを日本語と英語のバイリンガルに育て、国際的感覚を身につけさせたい、と思う親が増えているそうなのです。小学生の頃から子どもだけを留学させたり、あるいは、父親は日本にいて仕事をし、子どもの留学に付き添って母親も海外で暮らし、家族バラバラの生活をしている、という家族もいました。もうビックリです。家族での関わりよりも、英語の方が大事?と思いました。
取材をされていた子ども達は、皆、それぞれが大変さを抱えていました。
ある子は英語の方が上達して、日本語が喋れなくなりつつあり、親とのコミュニケーションは日本語ではなく、親は日本語、子どもは英語。こういう子ども達の場合、将来はどうなるのかなぁ、と思いました。きっといつかアイデンティティの問題も出てくるだろうなぁ。
バイリンガル、というのは、どこまでのレベルをこの番組では言っているのかな、とも思いました。ちょっとした英語の会話や生活レベルでの英語の会話ができるようになるのにはそんなに時間はかかりません。でも、読んだり、書いたりするレベルまでいくのには、大変なことです。そして、求められるのは、その英語を使って、なにをするのか、なにを語るのか、というところ。語学は手段であって、目的ではないということ。
ある子は小さい頃から自立を求められる海外での生活に、面食らっていました。日本は子ども天国、ということ。日本では子ども中心に家族が回っているところがありますが、海外ではまずは夫婦。そして子ども、という感じです。子どもに対して結構厳しく、子ども達は早く大人になりたい、と思うようです。例えば、友達を呼んでの夕食の時には、子ども達だけを先に食べさせ、寝かせ、そのあと、大人だけでゆっくりと楽しむ。レストランも子どもが入れるレストランはほとんどありませんでした。子ども達はベビーシッターに預けられ、大人だけがレストランに行く。
常に「個」を求められる海外では、どんな些細なことでも自分の意見を言うことになっています。これは土居健郎先生の「甘えの構造」にも書かれていますが、選択の自由が明確に与えられている。
このニュースを見ていて思ったことは、子どもに小さい頃から英語を学ばせる前に、やっぱりきちんとした母国語である日本語を習得させるのが先決ではないのかな、ということ。海外で本当の意味でのバイリンガルの人に会うと、たいていの方は大人になってから英語を身につけられた人。ひとつの言語がきちんと習得できないと、もうひとつの言語なんて習得できないし、思考もできなくなる。そして、その真のバイリンガルの人たちは、その母語である日本語の語彙が豊かで、日本語での表現力もレベルが高い人だったなぁ。
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傷つけないで欲しい
長いこと発達障害児の療育の現場を担当するベテランの臨床心理士の先生と話していてハッとしたことがありました。
その先生は東田直樹さんの講演会に参加されたそうです。東田直樹さんは自閉症で、「僕が飛び跳ねる理由」という本を書いた方。一見すると、ちゃんと言葉もしゃべれないし、走り回ったり、ウロウロしてしまったり、大声を出したりするので、その様子を見ていると「自閉症」。障害のために、音声言語で流暢に会話をすることが難しく、平仮名ボードを使い、自分の内面や感じていることを表現するようになったのは、中学生のときからのようです。
一見すると「自閉症」。でもその内面には感受性豊かな世界が広がり、哲学者のような視点が隠れています。見かけで判断するのはいけないですね。
東田さんが小さい頃に通っていた療育で、自分で選んだ動物のシールを貼る、ということをしたとき、東田さんは黒と白のコントラストに興味を持ち、パンダを選んだそうです。すると周りにいた療育の先生方が「直樹くんは、パンダが好きなんだね〜」。本人は、「別にパンダが好きなわけじゃないんだけどな〜」と思っていたそう。次の日もまた動物シールを選ぶ場面があり、昨日と同じものを選ぶのかと思いパンダシールを選ぶと、先生方が「あ〜!やっぱり直樹くんはパンダが好きなんだね!」。東田さんは「そうじゃないんだけどな〜」と思っていたそうです。
そして、療育にたずさわる先生方にお願いしたいことを聞かれると、「親と子どもを傷つけないで欲しい」と。
この言葉は重いですね。
先日、あるお子さんとご両親とのセラピーで、ご両親が心配でいろいろなことを質問されてきました。ご両親は大変心配されているので、困っていること、保育園での様子、どうしてこうなってしまうのか、などを涙ながらに質問され、私がそれに答えるということがありました。もしかしたら、振り返ると、その中で私は「親と子どもを傷つけていた」かも知れないな、と思い、心が重くなりました。その子は親が泣きながら自分の話をしているのを見て、心配に思っていたかも知れません。こういう話をするときには、敏感にならないといけないかも知れません。
一見すると発達障害が重く、きっと私たちが話していることも分かっていないかも、と思えるような子でも、もしかしたらその子の中には、豊かな言葉と心が広がり、ただ、それが表現できないだけかも知れません。私たちセラピストは気をつけるべきですね。
話は変わり、この間の療育センターのセラピーでとっても大笑いしたことがありました。その子は私との個別をとても楽しみしてくれていて、最近は落ち着いて課題を一緒におこなうことができるようになりました。一緒にカテゴリー分けをしているとき、ピーマンのミニチュアを見せて、私が「これ なんて名前?」と聞くと、自信満々に「ピーターパン!」。もうその様子に大笑い。私がとってもウケているのでその様子を見てその子も大笑い。「ピーマンだよ〜!」と言うと、「ピーマン!」と言っていました。
私はできるだけ、この子たちの記憶の中に、「楽しい時間を共有できた人」として残りたい。
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子ども達の名言
子どもってすごいな!と思った瞬間。皆さんと分かち合いたくて、書きます。
発達に偏りのある年長さんの男の子。月に1回、私とのセラピーのために来室してくれます。初めて会った年中さんの頃は、ちょっとでも難しかったり、やったことがなかったりする課題を見ると、もうドキドキ緊張してしまい、不安になり、落ち着きがなくなり、その気持ちを言語化することができないので、床に寝転んだり、机の下に隠れてしまったりしていました。どうしてそんなことをしているのかが分からない人が見ると、ただの怠け者のダラけた子ども。でも、本当は違う。とっても繊細な子。1年経ち、成長し、初めてやる課題にも挑戦することができるようになりました。
先日、その日に一緒にやりたい課題を机の上に並べ、彼に見せ、どの順番でやりたいかを決めてもらいました。1番から順番に決め、順番を決め終わったとき、
「ぼくね。好きなのはあとにするんだよ。」
と言いました! もう、チョ〜感動!そんな表現ができるようになったんだ〜!
「先生もね。〇〇くんと同じ。好きなのはあとなんだ〜。でも、先生の家の犬は、好きなのは最初なんだよ。」
そのやりとりを傍らで聞いていたお母さん。大笑いしていました。私も大笑い。
聞こえない2歳児の男の子。大好きな女の子に家から持って来たお菓子をあげました。女の子は聞こえにくい子。音声と手話で「ありがとう」と男の子に伝えると、その子は手話で
「ありがとう は いらないよ。」
と言ったのです! もう、なんだか格好いいじゃない!こんな会話が2歳児でできるの〜?!え〜!すごくない!!!
最近感動した、子ども達の名言でした。
子どもってすごい!
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好きなのは最初のうちの犬。