新スクでリファーとなり、コロナで相談にいけない親御さんへ 1
緊急事態宣言が出され、ろう学校でも相談を受けられなくなってしまいました。きっとコロナとリファーとで大変不安な毎日を過ごされていらっしゃる方がおられるのだろうな、と想像します。
毎日、少しずつ、そんな不安な中で、今、どんなことをすれば良いのかを発信していこうかな、と思っています。
宣言が出される前に駆け込みで電話をくださった親御さんがいらっしゃいました。補聴器のことを心配されていました。今、ネットで検索すると、生後3ヶ月で確定診断、6ヶ月までに補聴器、1歳には人工内耳などということが言われているそうですが、その情報を鵜呑みにしないでください。焦らないで。
まず、赤ちゃんの聴力ですが、生後6ヶ月ではまだはっきりした聴力レベルがわからないことがおおく、きちんとした聴力がわかるようになるには、その子の全体発達(身体の育ち、心の育ち、知的な面での育ち)と深い関わりがあります。きちんとした聴力レベルがわからないのに補聴器をつけてしまうと、もしかしたら本当はもっと聞こえているのに、補聴器で大きな音を入れることで、その子の耳に負担がかかり、騒音性の難聴になってしまうかもしれません。たかが1ヶ月、2ヶ月、補聴器をするのが遅れてしまったとしても、人生100年と考えると、そんなに大きな違いはありません。だから、焦らないで。
今、できることをしてください。
目の前にいる赤ちゃんに笑顔で接してあげてください。もし、心が「リファー」と言われて不安で不安で仕方がなかったとしても。生まれてすぐの赤ちゃんはみな、寝ていることがおおいですね。だから今は普通の子育てをすれば良いのです。ミルクで泣いたらミルクをあげる。おむつで泣いたら、おむつを取り替える。ぐずったら抱っこしてあげる。これで良いのです。「泣いて訴えれば応えてもらえる」このコミュニケーションの体験を積み重ねることで、信頼しても良い、命を預けても良い特別な人がいる、ということがわかってきます。その体験はこれから生きていく上でとても大事な大事な体験。そして、ときどきチラッと目を開けることがありますね。そうしたら、笑顔で応えてあげてください。この時期の体験は言葉を介してのコミュニケーションではないから、記憶には残らないかもしれないけれど、やっぱり赤ちゃんの原風景の中に残るのです。
神秘的な進化の過程をそのまま再現しながら生まれてきてくれた命。耳のことは気になるけれど、もし、聞こえなかったとしても、聞こえにくかったとしても、今、やるべきことをしていけば大丈夫。
だから、これから少しずつ、毎日伝えていきますね〜。
ハート&コミュニケーション 関根久美子
Kotoba-heart.com